ネルネ研究所

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『カクリヨノチザクラ』について

Vジャンプ9月号の付録カードである『カクリヨノチザクラ』。

そのVジャンプが本日発売となり、ついにデュエリストたちの手元にやってきました。

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その見た目の良さから発表当初から注目を集めていた一枚です。

 

一部では「浮幽さくらに似てないか?」と言われたり、Vジャンプ誌面で「様々なデッキで大活躍!」などと大々的に書かれていたこともあってか、「手札誘発の可能性があるのでは!?」と、色々騒がれ憶測が行き交っていたこのカード。

 

 

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確かに雰囲気は似てるね。

 

 

実際に蓋を開けて見ればそんなことはなく、自身をSSさせつつ、蘇生効果を持ったという汎用モンスターでした。

※SS=特殊召喚Special Summon

 

パッと見強そうです。だって自身をSSできて、なおかつ融合・シンクロ・エクシーズ・リンクモンスターを墓地から蘇生できてしまうから。

 

 

 

 

でも、ちょっとお待ちください。

 

 

こんなに簡単に評価を決めてはいけない。

効果をしっかり読んでみましょう。

 

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが手札に存在する場合、自分及び相手の墓地から1枚ずつ、魔法・罠カードを対象として発動できる。そのカードを除外し、このカードを特殊召喚する。
②:このカードをリリースし、自分または相手の墓地の融合・S・X・リンクモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外し、そのモンスターとは種類(融合・S・X・リンク)が異なるモンスター1体を自分の墓地から選んで特殊召喚する。

 

 

まず触れたいのが①の自身をSSする効果。

条件は自分及び相手の墓地から1枚ずつ魔法・罠を除外すること。

一見、簡単でお手軽です。

 

ですが、本当に一見なのです。

よく考えてみてください、先行で相手の墓地に魔法・罠が落ちていますか?

答えはほとんどの場合がNO。

確かに無限泡影などを使われた場合は落ちている可能性がありますが、基本的に自分が先行で相手の墓地に魔法・罠カードは落ちていません。

このカードのテキストは「自分及び相手の墓地」。つまり、両方を必要とするテキストです。片方でも欠けていたら使うことができません。

 

ということは、この効果は先行1ターン目では基本的に使えない。

確かに、中盤以降は容易に使用することのできる効果だと思います。増殖するGに引っかかるのはネックですが、問題なく強い効果です。

【閃刀姫】のエンゲージを除外したり、【転生炎獣】のロアーやレイジを除外してしまったりと相手にとって致命的な除外をついでに行うことは好材料でしょう。

それでも、②の効果が展開系なため先行でほぼ使えないというのは結構なダメージに変わりはありません。

「及び」じゃなくて「または」だったら文句なしに強かった。惜しい。

 

 

 

続いて②の効果。

このカードをリリースし、自分または相手の墓地の融合・シンクロ・エクシーズ・リンクいずれかのモンスターを対象として発動。

そのモンスターを除外し、除外したモンスターの種類とは異なる融合・シンクロ・エクシーズ・リンクモンスターを墓地からSSする。

 

何やらややこしい書き方をしていますが、要は墓地のEXモンスターを自分相手問わずに除外して、同一の種類以外のEXモンスターを墓地からSSするということですね。

 

効果の発動には自身をリリースする必要がありますが、チザクラは①の効果で自身をSSできる効果を持っています。他にもレベル1だったり、闇属性だったり、攻守0だったりと備わっているステータスはどれも優秀なので出す手段自体に困ることはないでしょう。

別にいざとなったら通常召喚でもいいですしね。

 

とはいえ、条件が微妙に使いにくい。

リンクモンスターを除外した場合リンクモンスターはSSできない。「なんだそのくらい」と思ってしまいがちですが、いざ使おうとすると「あれ?」ってなりそうな印象です。

 

昨今の遊戯王はリンク以外のEXモンスターたちはほとんど決まった種類の召喚法を使うのが主流になるようデザインされている。様々な召喚法を駆使するデッキ、なんて【DD】のデッキテーマになってるくらいなのでその数はあまり多くは無さそう。

しかし、それなら相手の墓地を除外しても良いので自分が出したいモンスターの種類を避ければいいですね。墓地からシンクロモンスターを出したければ、相手のリンクモンスターでも除外してあげましょう。

他にもリンクモンスターを一連の動きで能動的に墓地に送ることができば……!

 

 

……ん?あれ、これ……

 

 

意外と意識しないと使えないし、かなり相手に依存していないか?

 

 

色々考えた結果、これが僕の最終的な結論でした。

この『カクリヨノチザクラ』、第一印象ではソリティア展開のお供になりそうだと思ってしまいがちですが、よく考えたら使いどころが難しい1枚。

条件に当てはまれば強いし、当てはまらなければ一瞬で腐る。そんなカード。

 

何より先行1ターン目でSS効果を使って出せないのがきつい。今の時代、展開デッキは1ターン目から動けないと致命的です。

かといって通常召喚するかと言われたらそれもまた微妙なところ。このカードはテーマに属するカードではないし、きっとそのデッキには他に召喚権を使って通常召喚したいモンスターがいるはず……。

②のSSも条件を合わせないといけないのに対し、やってることは結局オマケ付きの死者蘇生です。

 

考えれば考えるほどなんだか最初はデッキに入れるけど、結局後から抜けるようなカードだなーとか思ってしまいました。

 

 

勿論、SS効果はハマれば強いし、闇属性悪魔族レベル1攻守0とステータスも優秀。

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『ワンチャン!?』で持ってきてそのまま出したりとカード自体のポテンシャルは高いと思います。

ただ、頭ごなしに強いかと言われるとそうじゃないってだけですね。

 

 

評価は5.5/10点

 

単体ではそこまで強くもないし、弱くもないって感じですね。丁度いい強さだと思われます。

使うデッキとタイミングを選ぶカードなので、そこはデッキと要相談でしょうか。

 

値段の方ですが、最近の遊戯王はイラストアドのあるカードは値が崩れない法則があるのでVジャンプ代はそのまま横ばいでキープすると予想します。

チザクラがドンピシャでドハマリするデッキが来れば値段は……あまり考えたくはありませんね。

 

 

 ちなみに僕は1枚だけ確保しておきました。

『ワンチャン!?』のサーチ先として忍ばせておくならアリかと思ったので。

 

何より、イラストが可愛い。これは大切なことだと思います。

 

 

 

 

 

こんな評価書いておいて有効活用方法が見つかったら恥ずかしいなぁ……その時は許して。